理事長経験者が教える!中古マンション内見「共用部」1分判定(掲示板→ゴミ置き場→駐輪場)
共用部1分判定は「掲示板→ゴミ置き場→駐輪場」
内見は短期決戦。全部を完璧に見るより、“当たりをつける順番”を持つのが強いです。
1分判定の流れ(目安)
- 掲示板:20秒(管理が機能しているか)
- ゴミ置き場:20秒(衛生・害虫リスク)
- 駐輪場:20秒(ルール運用・揉めやすさ)
時間があれば、エントランス・郵便受け・エレベーターを+30秒で追加します(後述)。
1分判定の合格ライン(私の判断ルール)
迷いを止めるために、私は内見の一次判定をこうしています。
- 3点のうち「2点OK」なら、室内を見る価値あり
- 1点でも“強いNG”が出たら慎重に(資料確認・時間帯変えて再訪)
- 強いNGの例:避難導線が私物で塞がれている/ゴミ置き場が常時崩壊/駐輪が廊下や出入口に常態化 など
※最終判断は物件全体(価格・立地・室内条件)とのバランスです。ただ、共用部で強いNGが出る物件は、住んでから効いてきやすいのも現実です。
- 3点中2点OK → 室内を見る価値あり
- 強いNGが1つ → 慎重に(資料確認・時間帯を変えて再訪)
1分で見抜く:掲示板・ゴミ置き場・駐輪場

掲示板(20秒)|「注意→是正」が機能しているか
掲示板は、管理の“脳みそ”です。住民への周知が回っているか、トラブルが多いか、改善されているかが出ます。
良い掲示板(管理が効いているサイン)
- 点検日・清掃日・工事予定が具体的(日時・場所・連絡先)
- 期限切れの掲示が少なく、貼り替えがされている
- ルールが「お願い」だけでなく、手順や窓口まで書かれている
注意サイン(住み始めてからストレスになりやすい)
- 同じ注意(騒音/無断駐輪/ゴミ/喫煙など)が何度も出ている
- 「守ってください」だけで、改善策が見えない
- 掲示が雑然としていて、管理側の手が回っていない印象
子育て・共働きが特に見るべき掲示
- 騒音(夜間・足音)/共用廊下でのボール遊び
- 駐輪(子ども自転車・キックボード)/ベビーカー置き
- 防犯(不審者・共連れ)/オートロック運用
- ゴミ(分別違反・粗大ゴミ放置)/害獣対策
ポイントは、「注意の量」ではなく “注意→是正”が回っている気配があるか。
掲示板と現地(ゴミ置き場・駐輪場)の状態が一致しているほど、判断がラクになります。
ゴミ置き場(20秒)|衛生・害虫リスクは“ここに出る”
ゴミ置き場は、最も正直です。気持ちよく暮らせるかどうかが一発で分かります。
良いゴミ置き場
- 臭いが強くない/床がベタついていない
- 分別表示が分かりやすく、実際に守られている
- カラス・猫対策(扉・ネット・囲い)がある
- 粗大ゴミが“置きっぱなし”になっていない
注意サイン
- 分別が崩壊、袋が破れて散乱/液だれ跡が残る
- 段ボールや粗大ゴミが常にある(放置が常態化)
- 誰でも入りやすい造り(外部持ち込みされやすい)
- 「注意の貼り紙だらけ」なのに改善が見えない
虫は“築年数”より“環境条件”
ゴキブリは築浅でも出ます。大事なのは「出やすい条件が揃っていないか」。
ゴミ置き場が荒れている/共用廊下に段ボールが置きっぱなし/湿気が強い——こうした環境要因があると不安が増えます。
虫の話は断定せず、環境の整い具合+清掃・運用の確認で判断するのが現実的です。
駐輪場(20秒)|秩序=トラブルの少なさにつながる
駐輪場は「秩序」が出ます。整っていれば生活ストレスが少なく、荒れていると揉め事が増えがちです。
良い例
- 区画・番号があり、整列している
- ステッカー・登録など運用がある
- 通路や避難動線が確保されている
- 放置自転車への対応(注意→撤去など)が見える
注意サイン
- あふれている/エントランス前や廊下に常時置かれている
- パンク・錆・ホコリが多い(放置が多い)
- 私物(棚・工具・段ボール・容器)が増えている
- 「撤去します」系の貼り紙だけ増えて改善しない
<理事長経験からの実感>
共用部のルール違反(私物放置など)が常態化していると、住民同士が疑心暗鬼になりやすく、些細なことで揉めやすいです。
断定はできませんが、共用部の荒れはマンション全体の管理状態を映すサインになりやすいと感じます。
【+30秒で精度UP】エントランス・郵便受け・エレベーター

1分判定で「悪くないかも」と思ったら、もう30秒だけ追加すると精度が上がります。見た目より**“手入れの継続”**が出る場所です。
エントランス(第一印象より“運用”)
- 風除室のマットが汚れたままではないか(雨の日に差が出る)
- 自動ドア・オートロックがスムーズに閉まるか(半ドアは不安)
- 掲示や案内が整理されているか(管理の丁寧さ)
郵便受け(住民の丁寧さが出る)
- チラシが溢れていないか/床に散らばっていないか
- 投函口や周辺にホコリが溜まっていないか
- 宅配ボックス周りに放置・貼り紙が増えていないか
エレベーター(手垢・臭い・掲示が分かりやすい)
- ボタン周りの手垢、床の砂、におい
- 点検表示がきちんと掲示され、古びていないか
- いたずら・破損が目立たないか
【注意サイン総まとめ】騒音・私物・照明・清掃は「住んでからのストレス」に直結

1分判定で違和感があったら、次の4点を追加でチェックします。短時間でも見つけやすく、生活への影響が大きいポイントです。
騒音|“貼り紙の量”より「改善の気配」
- 同じ注意が続いているのに変わらない → 住み始めて辛いことも
- 共用廊下での話し声が響く構造(建物形状の問題)もある
- 可能なら、夕方〜夜の雰囲気も見られると理想
私物|段ボール・植木鉢・傘立ては「火種」
- 私物は景観だけでなく、避難・清掃・防犯にも影響
- 共用廊下・階段・メーターボックス前に物が置かれていないか
- “置いてよい場所が決まっている”マンションは運用が強い
照明|暗さ・死角は防犯と安全の弱点
- 照明切れが多い/踊り場が暗い/死角が多い
- エントランス〜EVホールが薄暗い
- 駐輪場・ゴミ置き場が暗い(夜間不安につながる)
清掃|大規模ほど「抜け漏れ」を見る
戸数が多いほど共用部が広く、清掃の質が差になります。
“見えるところだけ”ではなく、次を見ます。
- EV内の手垢・臭い・床の砂
- 郵便受け周りのチラシ散乱
- 風除室・マット・隅のホコリ
- 蜘蛛の巣、カビ臭さ、排水溝周りの汚れ
安全面で外せない!避難導線・消防設備前の私物は“即注意”
共用部チェックで見落としがちですが、実は重要なのが 「避難経路が塞がれていないか」 です。
火災や地震などの非常時、共用廊下や階段は命綱になります。
チェックポイント(その場で判断)
- 共用廊下に私物(棚・植木鉢・段ボール・傘立て・ベビーカー等)が常時ないか
- 駐輪物(自転車・キックボード等)が廊下や出入口付近にないか
- 階段の踊り場に物が溜まっていないか(通路が狭くないか)
- 消火器・消火栓の前が塞がれていないか
- メーターボックス前に物が置かれていないか
掲示板に「置かないでください」と書かれているだけならまだしも、現地で“普通に置かれている”状態だと、ルールが十分に機能していない可能性があります。
子育て家庭や忙しい共働き世帯ほど、ここは気にして損がありません。
内見で迷わない。その場で撮るべき写真(比較できる人が強い)
内見を重ねるほど記憶が混ざります。後で比較できる写真だけ撮ってください。
必須(共用部の状態が分かる)
- 掲示板:全体+気になる掲示アップ
- ゴミ置き場:入口・床・分別表示・粗大ゴミの有無
- 駐輪場:全体・あふれ・放置の有無
- 駐車場:私物放置・汚れ・死角(必要なら)
- エレベーター:操作盤・掲示・床の汚れ(可能なら)
“共用部扱いの可能性”がある場所
- 玄関ドア周り:枠・隙間・ドアクローザー
- 共用廊下:私物放置・暗さ
- バルコニー:排水口(ドレン)周りの汚れ
管理会社に聞けば答えが出る!購入検討で確認すべき質問テンプレ
内見だけで判断しきれない部分は、管理会社に確認します。個人情報は不要で、「運用」と「全体傾向」を聞けば十分です。
コピペで使える質問テンプレ(スマホのメモに貼ってご活用下さい)
1)共用部の清掃頻度と範囲(どこまで/週何回)
2)ゴミ置き場の運用(分別ルール・害獣対策・清掃体制)
3)エレベーターの点検頻度と直近の停止・故障の有無(概況)
4)機械式駐車場がある場合:点検頻度、直近の停止・故障の有無(概況)
5)私物放置(廊下・駐輪・駐車場等)が起きた際の是正フロー(注意→撤去)
6)管理費・修繕積立金の滞納状況(件数・総額など概況。個人名は不要)
7)直近の大規模修繕の実施時期/次回予定、長期修繕計画の有無(概況)
「長期修繕計画」と「積立金」は必ずセットで
管理費・修繕積立金は金額だけ見ても判断できません。大事なのは、長期修繕計画に基づいて積立金が設定され、定期的に見直されているかです。
国交省のガイドラインでも、長期修繕計画は将来の修繕工事等を計画し必要費用を算出して、月々の修繕積立金の設定につなげる位置づけが説明されています。
また、修繕積立金は長期修繕計画に基づいて設定されることが明記されています。
ひと言ポイント(内見者向け)
回答がスムーズで、運用が明確なら安心材料になります。質問の目的は「粗探し」ではなく、管理が機能しているかを確かめることです。
機械式(立体)駐車場は“積立金に効く”代表例
国交省ガイドラインでは、機械式駐車場がある場合、修繕工事に多額の費用を要し、修繕積立金への影響が大きいとして「特殊要因として別に加算」する考え方が示されています。
知らないと損!玄関ドア・窓・バルコニーは「共用部分(専用使用権)」のことが多い
初購入の方が驚きやすいのが、玄関ドアや窓の扱いです。
国交省ポータルでも、専用使用権の対象例として バルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス などが挙げられ、どこまで設定されるかは各マンションの規約によると説明されています。
さらに、国交省の「マンション標準管理規約(単棟型)」では、
- 玄関扉は「錠及び内部塗装部分」を専有部分
- 窓枠・窓ガラスは専有部分に含まれない
- バルコニー等(玄関扉・窓枠・窓ガラス等)に専用使用権を認める
と条文で示されています。
つまり「ガタつくから交換したい」と思っても、勝手に交換できないことがある。
だから内見では、交換可否を決めつけず、症状を拾って写真で残すのがコツです。
内見で見るべき症状(30秒)
- 玄関ドア:閉まり方が不自然/隙間風がありそう/ドアクローザー不調
- 窓・サッシ:開閉が重い/ガタつく/結露跡・カビ跡
- バルコニー:床のひび・浮き/排水口(ドレン)周りの汚れ・詰まり
※内窓(二重窓)で体感が上がるケースもあります。ただし共用部扱いの範囲や申請要否は物件ごとに違うため、管理規約・細則で確認が必要です。
よくある質問(築年数・戸数・賃貸の多さで決めつけない)
A. 築年数だけでは決めきれません。私が優先するのは「共用部が整っているか」「長期修繕計画があり、積立の考え方が説明できるか」です。長期修繕計画は、将来の修繕工事を計画し費用を算出して積立金設定につなげるもの、と国交省のガイドラインでも整理されています。
A. 一概には言えません。戸数が多いと修繕費を分担しやすい一方、共用部が広く清掃品質に差が出やすい面もあります。内見では「掲示板の更新」「ゴミ置き場の運用」「駐輪場の秩序」で“運用の強さ”を見た方が外しにくいです。
A. 可能性はありますが、決めつけはできません。賃貸比率よりも、ルール違反に対して「注意→是正」が回っているか(掲示板と現地の一致)を見た方が現実的です。
A. 妥協できる“種類”によります。室内の見た目は後から変えられても、共用部や管理の質は個人で変えにくいので、私は共用部を優先します。逆に、眺望・日当たり・騒音のように暮らしに直結する部分は妥協しづらいので、優先順位を先に決めておくのがおすすめです。
まとめ!共用部1分判定で「買ってから後悔」を減らせる
内見は、室内の好みを探す場であると同時に、「暮らしのストレス」を減らすための確認の場でもあります。
- 掲示板:トラブルの有無と“是正の力”
- ゴミ置き場:衛生・害虫リスクはここに出る
- 駐輪場:ルール運用=揉めやすさが出る
この3点を1分で見れば、物件の“地力”が見えます。
そのうえで室内を見れば、内見の迷いが減り、「買ってから後悔」も減らせます。
最後にもう一度。
3点中2点OKなら前向き、強いNGが1つでも出たら慎重に。
このルールで、内見の判断がぐっとラクになります。
内見当日は、頭では分かっていても意外と忘れてしまいます。
私は「共用部1分判定」も含めて、室内・管理規約・周辺環境までを1枚にまとめたチェックリストを持っていくようにしています。
内見チェックリスト(A4 PDF)の配布ページはこちらです。
↓内見チェックリスト〖決定版〗(PDF配布ページ)


よろしければチェックリストをご活用下さいませ〜。

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参考(国土交通省など)
- マンション標準管理規約(単棟型・コメント含む)(最終改正:令和7年10月17日)
- 長期修繕計画標準様式/長期修繕計画作成ガイドライン(コメント含む)(最終改訂:令和6年6月7日)
- マンションの修繕積立金に関するガイドライン(最終改訂:令和6年6月7日)
- 専用使用権とは何ですか(マンション管理・再生ポータル)
